モンテッソーリ教育では外遊びを推奨しないのか?
モンテッソーリ教育は室内のお仕事ばかりだと思われがちですが、外でのお仕事や外遊びも大事だと考えています。
花壇のお花にお水をあげたり、お手入れしたり。
キレイなどんぐりを集めたり、いろいろな色の落ち葉を拾ったり。
公園では、好きな遊具を飽きるまでさせてあげてください。
砂場で遊ぶと決めたら、好きなだけ泥遊びをさせてあげましょう。
線が引かれた上を歩いたり、小さな段差に乗ってよろよろ歩いたりするのは、ぜひ見守ってあげてください。
全身を動かしたい時期を逃すと、からだの動かし方がぎこちない子に育つことがあるからです。
例えばジャングルジム。
最近は大きくなってもうまく登れない子を見かけます。
それは、頭の中でのイメージと、からだがうまく連動しないために起こるんですね。
結果、落下したり、宙づりになって「助けて!」と泣いたりしてしまいます。
そんな子には、一つ一つ登り方をていねいに説明しなければならないのですが。
そうなると子どももおっくうになって、やる気を失ってしまいます。
「やーめた」となげだしてしまい、ますます運動から遠ざかってしまうのです。
なので、小さいころに運動をたくさんさせて、頭とからだを連動させることが大切。
危ないからといって、バランスを必要とする運動から遠ざけすぎないようにしたいものです。

子どもは日常動作の中でバランス感覚を鍛えている
外遊びのポイントは、日ごろから散歩のときなどに、近くにどんな公園があって、どんな遊具があるのかリサーチしておくこと。
子どもの「思いっきり運動したい」という欲求にうまく応えることができるようになります。
モンテッソーリ幼稚園に入ったとたん、急に活発さが失われたような気がして心配。
以前は泥遊びや遊具など、走り回ったりして外遊びが大好きだったのに・・・モンテッソーリ幼稚園に入るやいなや、急に外遊びに興味をもたなくなったと悩む友人から相談を受けたことがあります。
それは、おうちでのお仕事に目覚めたのかもしれません。
外と内とのメリハリや集中力もつくので、心配するよりもむしろ成長ととらえられ喜ばしいことなのです。
また、「ある敏感期に入った」とも捉えられます。
いま自分の子どもはどんな敏感期なのか知る
子どもには、ある時期になると物事に対して非常に強いこだわりを見せるようになります。
たとえば、「魔の二歳児」「イヤイヤ期」と呼ばれるものがそうですね。
これをモンテッソーリは『敏感期』と呼びます。
敏感期とは、
- ある目的のために(ものごとには順序という秩序があることを知るために)
- あるときだけ(2~3歳のとき)
- 何かに対して(順序に対して)
- 非常に強く反応する(敏感になる)
時期のことです。
つまり『子どもは何かを嫌がっているというよりは、自分の中にある秩序に従いたいと強く思っているだけ』と、とらえています。
そして、敏感期は0~4歳の場合は秩序、運動、社会的行動、言語に分類することができます。
同じことを頑なに繰り返す『秩序の敏感期』
小さいものをつまみたい『運動の敏感期』など
子どもはある能力を獲得したいために敏感期が存在するのです。
残念ながら、敏感期を知らないことで、子どもが成長する大切な時を知らずして潰してしまっている親は多いです。
子どもは「自ら伸びる能力」を備えて生まれてきているから。
生かすも潰すも親次第なのです。
敏感期だとわかっていれば、親の子どもに対する態度は大きく変わるはず。
子どもが自ら伸びるには、敏感期に秘訣があるということです。
禁止したり先回りしたりせず、「今どんな敏感期なのか」子どものこだわりを注意深く観察してみましょう。
運動や秩序の敏感期には、それに合わせた外遊びの環境を用意してあげるのが良いです。
【モンテッソーリ】年齢別おすすめの運動・外遊びの例
参考までに、0歳~4歳までの外遊びの例をご紹介します。
0歳6ヶ月~12ヶ月の外遊びの例
- お散歩(歩き始めはコンクリートよりも芝生がよい)
- 石をつまむ、砂をつかむ、枝を持つ
- どんぐりや葉っぱを拾ったり集めたり
- 遊具や柵につかまり立ちする
- 手押し車
1歳からの外遊びの例
- お散歩
- 野草や山菜つみ(植物も生き物なので、摘むからにはつくしや菜の花など食べられるものが良い)
- ボール投げ
- 砂場、泥遊び
- シャボン玉
- 足蹴り車
2歳からの外遊びの例
- 三輪車
- すべり台
- ブランコ
- 砂場、泥遊び
- 外でのお仕事(ゴミ出し、水やり)
- 落ち葉拾い
3歳からの外遊びの例
- 三輪車
- 鉄棒
- ジャングルジム
- 外でのお仕事(ほうきがけ)
- 川遊び
4歳からの外遊びの例
- ジャングルジム
- 砂遊び、泥遊び
- 自転車
- 外でのお仕事(窓拭き、ガーデニング、生き物のお世話)
- ラジオ体操、リトミック
おわりに
子どもはからだを動かせる喜びにあふれています。
ちょっとでも高いところに乗って歩くのは、バランス感覚を鍛えているから。
危なくない範囲なら、登っているのを見守るようにします。
子どものこだわり(敏感期)をヒントに才能や能力を伸ばせるよう、環境を用意してあげると良いでしょう。
最近のコメント